教室に申し込みをされる前に

教室の扉を開くと、きゃっきゃとはしゃぎながら子ども達が入ってきます。
「何がそんなに嬉しいの?」と聞いても、
「べつに~」という返事で笑い合ってます。

そんな様子をいつも見ている息子は、
「ここの生徒おかしいだろ。なんでこんな教室に嬉しそうに来るんだよ。
大学で教わる教え方の悪い見本だらけだぞ。
あんな小さな子にあんなキツイ言い方で教えて!」
と私には非難の、生徒には不審の目を向けます。

そりゃね、声は大きくて、普通にしゃべっても喧嘩腰、と言われてますよ。
弟の声はもっと大きくて、姉弟で議論してると、
「あれ、喧嘩してるの?」
と知り合ったばかりの人は怪訝そうに言います。
すると、よくわかってる人が解説します。
「いや、あれはまだ普通。喧嘩になったらあんなもんじゃないから」

普通に指導していても、静かな環境で育った子には刺激的でしょう。
何度でも同じことを聞いて来たり、同じことを注意されたりする子がいると、どんどんきつい口調になります。
怒鳴られたことのない子は、そばにいるだけで耐えられないでしょう。
中には、わざとやってる?怒られたいんじゃないの?と思える子もいて、いくら怒鳴られても、とにかく構ってほしい、という子もいるのです。

怒られることを喜ぶ子もいれば、わからないことが悔しかったり、できるところまでやるように、と少し遅くまで残すだけで泣いてしまう子もいます。
あ~あ、また泣かしちゃったよ、保護者はどう思ってるかな、と心配もしますが、
「なんでうちの子を泣かすんですか!」
と言われたことが20年間ないのが不思議なくらいです。
理解ある保護者がきちんとフォローして次もきちんと通ってきてくれて、ホッとします。
そんな子ほど、だんだん逞しくなり、めきめき上達してきます。

最近絵本教室も始めて、幼稚園教諭の指導を見ていると、常にニコニコ笑顔を崩さず、歌ったり、いろいろな技を使って注目させるので感心します。
幼児は、口で注意しても無駄、できないのが当然、余計な間を作ると何をするかわからない、泣かせたらかえって面倒、という大前提があるからだそうです。
「あれじゃあ、家に帰ってまでニコニコしてられないで怒りたくもなるね」と言うと、
「でしょう?他人の子だからできるのよ」という返事。

うちの教室では、年長さんから大人まで、みんな一人前扱いです。
老若男女の差別なくキツイ指導なので、エコヒイキはありません。
何でもできることが大前提なので、できるはずのことをいつまでもできないと言うと怒ります。
「自分でできないと思うからできないんだよ」というのが基本スタンス。
わからないことは何度でも教えます。
どうしてもできなければ、もう一度できるところまで戻ってやり直します。
できるようになってから、少しずつ難しいことに進むので、やってできないわけがありません。

中には、どうしても自分に自信が持てないで、毎回やり方を確認してきたり、できるのにわからないと言ったり、自分ができることに確信が持てない子もいます。
「大丈夫!できるから!」
と何度も言ううちに自分でやるようになり、一度自信を持つと目覚ましい上達ぶりを見せたりします。

怒声とも言える大声で指導されながら、ニコニコしながら帰っていく不思議な生徒がたくさんいますが、誰でも合うとは限りません。
そのことは重々自覚していますので、入塾申し込みの前には、必ず見学または体験をしていただきます。
そのうえで、保護者ではなくご本人の判断で大丈夫そう、と思われた場合のみ申し込みをお願いします。