継続は力なり

小三から中三まで西教室に通って1級を目指しながら、高校受験で中断し、高校で復帰する予定が、学校が遠いため通えなかった生徒からメールが届きました。
大学進学も決まり、高校の授業ももうすぐ終わるので、また珠算と暗算の1級を目指したいということです。

一流といわれる高校から大学への進学が決まっても、それに安住することなく、今は資格が物をいう時代だから、やりかけていたことをやり遂げたい、ということです。
同級生である次女やその友人たちのおしゃべりにもめげず黙々と練習し、着々と実力をつけていった寡黙な男の子でした。
それが、自分からメールを寄越し、いろいろなアドバイスに礼儀正しく対応し、さわやかな文面で意欲を語る返事をくれたことに、ちょっとびっくりしました。
教室に通っていた6年間に話した以上に多くのことを話してくれた気がします。
いろいろな面でこんなにも成長して、と感動してしまいました。

一橋の学生さんで、証券会社に就職が決まってからの10ヶ月で、まったくの初歩から教室内のテストで準二級まで合格した生徒がいました。
優秀な生徒に共通するのは、非常に素直に指導に従い、忠実に練習を続けることができることです。
勝手な思い込みで指使いを変えたり、独自の方法を編み出したりせず、わからなくなったら何度でも聞き、基本には忠実に従うことが上達の早道だと知っているのでしょう。

去年、18年かかって公認会計士の試験に合格した友人がいます。
その間、結婚し、二人の女の子を出産し、子育てしつつ夫の会計事務所を手伝い、試験前には学校に通って受験する、という生活を毎年送ってきました。
普通ならとっくにあきらめて挫折するところですが、あきらめなかったことが合格につながりました。
「継続は力なり」の見本です。

何でもコンピュータで処理する時代に、珠算1級がどれだけの価値があるかといえば、実際にそろばんをはじくことで資格を生かす機会はほとんどないでしょう。
実生活で暗算は使えますが、実際の事務作業は、私でも全部パソコン任せです。
たまに検算を暗算でやるくらいです。

ただし、どんな資格でも1級などのトップランクの資格を取ることは簡単ではなく、勉強なり訓練なりを継続する必要があります。
特に珠算は一朝一夕で上達することは難しく、通常1級を取るまでには何年か訓練する必要があります。
一つのことに何年も取り組み、小さな目標を達成しつつ、最終的な目標に向かって努力したという経験は、ほかの勉強や仕事や人間関係など、人生の多くの場面で生かせるはずです。

多くの習い事に手を出し、何一つ最終目標を達成できないより、一つのことに何年も取り組むということが大事だと思います。
それには、遅過ぎるということはありません。
仕事でも人間関係でも、何やっても続かないという人は、何か一つの資格の最高レベルを取得する勉強を継続したら良いと思います。
何をやってもそつなくこなせる器用な人より、不器用で人の何倍も努力を必要とする人の方が、上達には時間がかかりますが、経験を有効に生かせるはずです。