夢中になれること

今年も、次女(高三)と毎年恒例の親子旅行に行って来ました。
(受験勉強中にもかかわらず)
次女の希望が「犬山城」だったので、ついでに近くの「明治村」にも行って明治時代の勉強もしてくることにしました。
(古代と戦国時代と幕末にしか興味のない次女は無関心でしたが)

犬山城は、小さいけれど、日本で数少ない天守閣まで現存する国宝級のお城だけあって、急な階段や部屋の造りまでリアルでした。
「小さっ!これ銀閣寺?」
とか言って親がからかっても、次女は感動しまくりでした。
「すごい!これって平城じゃなくて、平山城だよね?」(そんな専門的なこと知らないし)
「ここから石を落としたのかあ。本当に戦いに使ったって感じだよね。こんなお城欲しいなあ。」(まるでお城マニアのおじさんみたい)

一番の目的の犬山城巡りは初日にあっという間に終わり、親の目的の明治村に一日半を費やしました。
明治なんて好きじゃないけど、親に付き合ってやるか、程度についてきた次女は、ここでも感動しまくりでした。
小金井の江戸東京たてもの園で喜んでいた子ですから、その何十倍も古い建物があり、中にも解説付きで実際に入れたり、食事ができたりするのですから、喜ばないわけがありません。

夏目漱石、森鴎外、小泉八雲、幸田露伴などの文学者が住んだ純日本家屋、政治家の住居や公共の西洋風家屋、フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルなど有名な建物以外にも、監獄など特殊な建物もたくさんありました。
次女が一番喜んだのが、昔の牢屋の中でお茶を飲めたことです。
お盆シーズンの特別イベントだったのですが、雑居房に二人だけ閉じ込められて、出るときは「ありがとうございました」ではなく「出所おめでとうございます」と言われました。
華麗な調度品に囲まれた西洋館ではなく、文学者達の執筆当時を再現した書斎でもなく、こんなところに喜ぶのがうちの子らしい。
(これでも史学科を目指してます)

何でも平均的にできる優秀な子ほど、好きなことが見つからないから進路が決まらないと聞きます。
うちみたいに歴史しか好きじゃないし、勉強もそれしかしない、と徹底してると迷いようもないのですが、どれも平均以上にできるけれど、これが好きだから徹底的に勉強する、ということがないと、勉強もつまらないものになります。

うちの子はアイドルにしか興味がない、ゲームばっかりやってる、マンガばかり読んでる、とよく言われますが、好きなものがあるなら止めてはダメです。
好きなことには、徹底的にのめり込ませれば良いと思います。
次女の歴史好きは親の影響というより(親は歴史や社会系が一番苦手です)、マンガやゲームの影響が大きいと思います。
マンガやゲームから興味を持って、本を読んだりネットを調べたり、どんどん興味を広げていくのです。
基本的に最低限の勉強さえやったら、あとは好きなことを思い切りやって良い、ということにすれば、いつか本当に好きなことが見つかると思うのです。
親の偏見で、そんなもの、と言って禁止したら、もしかしたら特殊な分野のパイオニアになったり、ものすごい専門家になる可能性をつぶしてるかもしれません。
そんな大成はしなくても、自分の好きなことがあって、夢中になれる人生ほど幸せなことはないと思います。

来年80歳になる母は、「千の風になって」のヒット以来秋川雅史の大ファンで、自分で何度も電話してコンサートのチケットを取った、と話してました。
誰もが、ビジュアル系追っかけの長女や、ロックバンドにはまってイギリスまで行った母親の源流は、祖母だったのか、と血筋を実感しました。
10年来乳癌やC型肝炎の治療を続けながらも、歌舞伎を見に行ったり、プリザーブドフラワーの講習に通ったり、老後を満喫してましたが、この年になって、ここまで音楽にはまるとは思いませんでした。(家にいると一日中同じCDがリピートされてます)

子どもに好きなものを見つけさせたいと思ったら、親が好きなことを見つけて夢中になって、その感動を子どもに伝えるのが一番です。
必ずしも直接的に効果が出るとは限りません。(勉強につなげようと露骨だと逆効果にもなります)
親がいろんな音楽を聴いてても、同じ曲に興味を持つとは限りませんが、音楽自体には興味を持つかもしれません。
感動した本や映画の話をしても、面白そうと言って話にのったり、実際に読んだり見たりするかどうかはわかりません。
(我が家の確率では、ほとんど3分の1です。)
それでも、長女と一緒にコンサートに行ったり、長男と海外ドラマに夢中になったり、次女と三国志のマニアックな話をしたり、と親子のコミュニケーションには困りません。

ただし、親が大人げなく夢中になることには、大抵の子どもは冷たい視線を向けてきます。
でも、子どもにとって親は「元気で留守がいい」という存在ですから、まったく気にすることはありません。
そのうち「まったくうちの親は」とあきれながらも、保護者的にあたたかく見守ってくれるはずです。

 

【明治村】

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