お金の教育~一生お金に困らない子に育つ本

お小遣いをいつから与えるか、子どものお金の管理をどうするか、ということから、親子で経済についてどう学んでいくか、ということまで丁寧に説明されている本です。
親でさえ家計簿が続かないのに、子どもにお小遣い帳をつけさせるのは難しいし、親戚の家に行くたびに余分なお小遣いをもらって、親は管理しきれないし、と子育て中に子どものお金で悩むことは多いものです。
そんな悩みの参考になると思います。

日本では、子どもにお金の話はタブー、という風潮がありました。
現在でも、早期教育で二桁、三桁の計算は教えても、お金の数え方は教えていない、という家庭もあります。

そろばんでは、そろばんの珠をお金で置き換えると説明が簡単なのですが、一円が五個で五円、十個で十円などの感覚がわからない場合、お金の説明から始めたりします。
どうせ計算を教えるなら、簡単な買い物をさせてお釣りの計算をさせたり、お金の数え方から教えてほしいと思うことがあります。

また、早期教育で計算を覚えた子の中には、数字の変換だけが素早く、数をイメージでとらえることができない場合があります。
そうすると、目で見て手で動かすそろばんの計算になかなか慣れないことになります。
当然お金の両替の感覚もなく、お買い物でお釣りがいくらか、という計算もできず、実生活には使えない計算力となっています。

親が自営業の場合は、物を仕入れて売ったり、技術やサービスでお金をもらうという収入の流れ、事業を運営していくために資金を貯めたり、借金をしたり、帳簿をつけたりというお金の運用管理などを身近にみることができます。
時には子どもも直接手伝い、経済活動に参加する機会もあります。

ところがサラリーマン家庭では、労働の現場も見えず、お給料も銀行振込で、給料明細も紙ではなくネットで確認という時代になっています。
さらに通信販売で物を選び、カードで支払い、銀行から引き落とされる、というようにお金の動きが昔以上に見えにくくなっています。

そんな中でお金の価値をきちんと教え、お金を得るためにはどうするか、苦労して得たお金をどう使うか、ということは、子どものうちから身を持って学ぶ必要があると思います。

何年か前にベストセラーになった「金持ち父さん貧乏父さん」では、小学生の頃から働いてお金を稼ぐ経験をさせ、ゲームの「モノポリー」で経済教育をする、ということが書かれていました。

DSのゲームで「おいでよ どうぶつの森」というのがありますが、これもちょっとした経済の流れを経験できます。
よくあるゲームのように、戦いに勝ったり、宝物を探すことでお金をもらうのではなく、果物を育てて収穫したり、虫や魚を捕ったりして、それを売らないとお金になりません。
長く続けると、事業家のタヌキや博物館のフクロウ、喫茶店のハトからいろんな苦労話が聞けるのですが、子どもにわかるかなあ、というような愚痴や経営のしくみが含まれていたりします。

物があふれ、贅沢させようと思えばいくらでも贅沢させられる世の中ですが、本当に欲しい物は何かを見極め、手に入れるまでの苦労を味わい、時間をかけてやっと手に入れた時の喜びを知り、手に入れた物をいつまでも大切にする、という姿勢を身に付けてほしいものです。
親のようにお金に苦労することなく、お金に振り回されることなく、人生を楽しく有意義に過ごすためにはどうしたらよいか、という観点からお金について学んでほしいと思います。
そのためには、親も家計を見直し、経済について学ぶ必要があるのですが。