オール1でいじめられっ子だった数学の先生

先日、「徹子の部屋」にも出演されていましたが、23歳で小学二年生の勉強からやり直し、定時制高校に進学し、国立の名古屋大学に合格して大学院まで進み、母校の定時制高校で数学の先生になった方の話です。

小学二年の頃から中学までずっといじめられ続け、自殺未遂までする環境の中、両親も先生も助けにならないことを知り、ずっと耐えるだけの子ども時代。
成績はずっとオール1で、23歳まで、漢字は自分の名前しか書けず、九九は二の段しか言えず、英語はbookしか知らないという学習レベル。
当然高校には進学できず、専門学校から大工見習いとなっても、暴力的な扱いを受けるような職場環境。
しかも、ずっと貧しく、両親の夫婦喧嘩が絶えない家庭環境で、さらに16歳で母親、18歳で父親を亡くし、天涯孤独の身の上。

このような過酷な身の上から、新しい職場で親身になってくれる上司に出会い、今の奥さんに出会い、TVでアインシュタインを知ったことで、物理に興味を持ち、知的好奇心を育てていきます。
物理の勉強をしてみたい、という一心から、小学校低学年の算数ドリルから勉強を始め、高校三年の模擬試験では数学の成績が県内一番にまでなります。

一つのきっかけは、イジメに対抗するために始めた少林寺拳法。
イジメに対しては結局利用できなかったものの、目標を持って練習を重ねた結果、県代表の選手にまでなれたそうです。
そこで、目標を持って努力することの大切さを学んでいます。

そして、少林寺拳法を通して知り合った女性は、国立大出で、九九も知らないと知った時点で別れようとも思ったそうですが、未知の可能性を信じてくれました。
アインシュタインの番組をビデオで見せて知的好奇心を引き出してくれ、勉強を始めると、定時制高校への進学を勧め、今に至る道筋に導いてくれています。

大学院にまで進んだのですから、研究者になりたいという希望もあったのでしょう。
でも、自分にはもっとできることがあるのではないか、と思い直します。
勉強がまったくできない子の気持ちがわかり、どうやったらできるようになるかも知っています。
恵まれない家庭環境のつらさも知っています。
イジメたりイジメられたりする子の気持ちもわかり、どう解決すべきかも一緒に考えられます。
現在に至る自分を助けてくれた人達への恩返しの意味からも、昔の自分と同じ立場の子ども達を救うべきでは、ということで先生になる道を選びます。

小さい頃から優秀な人より、挫折を知っている人、わからないということがどういうことか知っている人、どうやったらわかるようになるかを知っている人こそ、先生になって欲しいものです。
家庭環境に恵まれなかったり、イジメられたり、つらい経験をたくさんして乗り越えてきた人こそ、先生になってほしいものです。

優秀な両親、恵まれた環境があってこそ、優秀な人間が育つと信じ、親がバカなら子どももどうしようもない、家庭が悪いんだから子どもが良くなるわけがない、という偏見を持っている人は、子どもを教えるべきではないでしょう。
親と子どもは別の人間だし、子どもは子どもなりの可能性があり、どんな環境にあっても、その能力を伸ばす権利があります。
目標を持って頑張れば、個人差はあっても、今以上の進歩は確実にあるはずだし、それぞれの能力を伸ばしてあげる熱意がない人は、教師をやめるべきです。

最近、次女の英語能力が低いのは親の遺伝と言われ、どうやって勉強したらいいか聞くなんて愚問だよ、と言われ、自分も子どもも優秀で英語の勉強で困ったことがない人は、できない子を教えることは無理なんだな、と気づかされました。
母親が優秀でなければ子どもが優秀に育つことは無理、という持論の元では、うちの子の可能性は否定されてしまいます。
能力以上にしてくれと言ってるわけではなく、勉強の面白さを教え、うちの子なりの能力を引き出してくれればいいと思っていたんですけどね。

確かに私は英語が苦手で、受験も英語で失敗してるけど、もし今から英語をマスターできたら、優秀な英語教師になれるんじゃないかと思ってしまいました。
英語が日本語とは別物だということを本当に理解することの難しさ、単語を覚えたり、文型を覚えることの大変さがわかっていますし、何より毎日コツコツ継続して積み重ねていく勉強が苦手ですから、怠け者でも身につけられる英語の勉強法が見つかれば、英語で困っている子ども達に伝授できるのに・・・
(っていう親の怠慢さをしっかり受け継いでることが、子ども達の不幸の始まりなんだろうな)