子どものためのルールブック

今年小学校入学の甥に、「みんなのためのルールブック」、母親である妹に「あたりまえだけど、とても大切なこと」という本をあげました。
全部守るのは大変だけど、「我が家のルール」を作るうえで参考になるでしょう。

この本は、28歳で「全米最優秀教師賞」を受賞した小学校の先生が書かれた本で、教室で子ども達に守って欲しいことを、いかに自主的に守らせるか、ということに工夫した、子どものためのルールをまとめたものです。
アーノルド・シュワルツェネッガーが「キンダーガートン・コップ」(刑事が教師に化けて、幼稚園で張り込むというコミカルなサスペンス)という映画で、幼稚園児を統制するのに軍隊式のやり方を取り入れてましたが、あんな強圧的な方法ではなく、何故このルールが必要なのか、を一つひとつ説明し、納得させながら、自分から守るようにさせていくのです。

ルールを守らせるには、例外を作らない、ということが大切です。
うちでは、買わないと言ったら絶対買わない、ということだけは子ども達にもよくわかっているので、オモチャの前でひっくり返ってダダをこねる、ということはありませんでした。
(もっともこのルールだけは、そんな余裕がないのだから、我が家の実情をわからせ、贅沢させないために絶対守らせる必要があり、子どもの方もわかってしまえば無駄なことをしないだけですが)
「今日だけよ」などと例外を一度作ると、子どもは絶対そこにつけいり、どうやったら親に「今日だけよ」と言わせるか、ということに全勢力をかけてきます。
ダメなことは絶対ダメ、ということは、親の方が徹底しないといけないのです。
子どもの方も、何度チャレンジしてわがまま言っても無駄、とわかればあきらめます。

この先生は、そのような飴とムチの原理を徹底的に守り、時には涙をのんで例外を作らないように頑張っています。
その成果はものすごいもので、何十人もの生徒全員が本当にこんなにルールを守り、宿題を毎日きちんとしてくるようになるんだ、と感心します。
また、やらねばならない規律ばかりでなく、前向きに生きるにはどうするか、みんなと楽しく過ごすにはどうするか、という生き方のルールも忘れないところが好感が持てます。

うちの場合、やらねばならないことをやる、というのが一番苦手です。
親が苦手なもので、子どもにも強力に守らせることができない、というのが実情です。
やりたいことより、真っ先にやるべきことから片づけるべきなのに、ダラダラと過ごしてギリギリになってあわてる、というのが親子共々悪い癖です。

それでも、親に頼らず生きていけるようにする、というのが最低限のルールですから、親がいなければ、炊事、洗濯と、掃除以外は三人が各自分担してこなしています。
金銭面でも長女はそろそろタイムリミットで完全自立をしてほしいところですが、一番学費がかかっていない分甘やかしてしまい、いまだパラサイトのままですが。

それと大事なことは、自分の身は自分で守るということ。
どんなに心配でも、親が四六時中子どもを守ることはできないのですから、自分の身を守る能力を磨いてほしいと思っています。危険な場所は避ける、危険を感じたら逃げる、助けを求める、何とかして助かる道を探す、という生命力が備わっていて欲しいと思います。

先日、電車の中で、21歳の女性が中年男性にトイレに連れ込まれ暴行されたのに、乗客は誰も不審に思わないか、思っても乗務員に連絡をしなかった、という事件がありました。
殺すぞと脅されて声も出せなくなってた女性も、かわいそうですが、言いたいことをはっきり言えるようにもっと教育されていれば、勇気を持って逃げられたかもしれません。
それにしても、脅されながら嫌がる女性をトイレまで連れて行く道すがら、見て見ぬフリをした乗客は、半分共犯者ではないでしょうか。
イジメを見ていて、止められなかったらイジメているのと同じ共犯者だと教えていますが、まったく大人達が同じようなことをやっているのですから、子どものイジメがなくなるわけありません。

悪いことは悪い、嫌なことは嫌、と言いたいことをはっきり主張することは、自分の身を守るための基本です。
勉強はできなくても、これだけは身につけておいてほしいと、願うまでもなく、親の血を引いているので大丈夫でしょう。

次女の女子高の生徒は、毎年何人も痴漢をつかまえているそうです。それも、自分が被害にあったからだけではなく、他人が被害にあっていても、見つけたら捕まえて駅員さんに引き渡すそうです。
これはひとえに、全国一を誇る性教育のおかげでしょうか。
避妊などの具体的な方法や、男性についても詳しく習い、誰よりも耳年増なだけでなく、性的被害、性同一障害など、あらゆる性的な差別についても学び、自由研究や発表も行っています。
そのおかげで、痴漢の被害にあって恥ずかしいなどとは思わず、そんな卑怯な行為をする犯人が悪いと認識し、許してはいけないと行動に移すことができるのでしょう。

子どもが今ある状態は、どう責任逃れをしようと、親の教育の結果です。
失敗したなあ、と思う点の多くは、自分の欠点をそのまま写しとってしまった結果で、親を反面教師にして逆に良く育ってくれる、ということはめったにありません。
成人してからでは、親の手は届かなくなります。あとは、自分で矯正してもらうしかありません。
まだ間に合う方は、ぜひ「我が家のルール」を見直してみてください。