できない時、どうするか

そろばんは、5になる数(いくつ足したら5になるか)と10になる数(いくつ足したら10になるか)がわかって、位の認識ができれば、どんな大きな加減算もできます。
一珠でできない時は、5にするか、5から引くことを考えます。5でもできない時は、10にするか、10から引くことを考えます。
初歩の練習は、ほとんどがこの練習です。計算の結果はそろばんが出してくれるので、この数を足したらいくつになるか、ではなく、この数を足すにはどう珠を動かすか、を無意識にできるようになるまで練習します。

大人や計算が得意な子は、計算の結果がわかってしまうので、その答えに合わせてそろばんの珠を置こうとしてしまいます。
小さな子は、答えを考えず、素直に珠を動かす練習ができるので、案外早く上達します。
ただ、普段何でも親が手を貸して、自分から何もしないですんでいる子は、すぐに
「できない」
を連発します。
不親切な先生なので、すぐには教えません。
「ちゃんと考えた?」
「できない時は、どうするんだっけ?」
どうしてもできない子には、
「一珠でできない時は、5にできないか、それでもできない時は、10にすることを考えるんだったよね」
ということを、何十回も、時には何百回も繰り返すことになります。

たかだか、そろばんの珠をどう動かすか、という単純な作業の訓練にすぎないのですが、できない時、すぐに誰かに頼るのでなく、まず自分でどうにかできないか考える、という習慣を身に付けてくれたらいいなあ、と思います。
これからの長い人生では、もうできない、どうしようもない、という局面に立たされることが何度かあるでしょう。そんな時、どうするか。すぐにあきらめないで、どうしたら今の局面を切り抜けられるか、困った状況に負けないで、自分で考えて乗り切っていけるようになってほしいな、と思っています。