義務教育もあと少し

学習意欲が今ひとつで、何度も個人面談に呼び出されながら、どうにか高校に進学できそうな次女も、あと三ヶ月で義務教育終了です。
本来ならもうすぐ高校受験で、中学三年間の範囲をしっかり復習した上に、受験勉強に臨んでいるべき時期に、提出物も満足に仕上げられず、中学一、二年の基礎力もないまま高校進学なんてねえ〜。
とはいえ、怒ってもやる気を出すわけもなく、本人がこのままじゃいけないと本気で自覚しなくては、根本的に問題は解決しませんからね。

自分がヒステリックなほどの教育ママに育てられた反動か、子ども達がひどい成績を取ってきても、あまり怒る気にはなれません。
怒っても効果がないことは、自分で経験しているからです。
でも、教育的に正しい態度が取れているわけでもなく、
「何、これ?」
と嫌みを言ってしまうこともあります。
とは言っても、ここまで成績が悪いと、もっと出来の良い子に生んであげられなくて申し訳ないと内心思ってます。

まったくやっていないわけでもないのに、なんでここまで覚えていないのか、不思議なほどです。
授業を聞いて、日常生活でもいろんなことを見て、聞いて、体験して、というだけでも、もう少しいろんなことを身に付けても良さそうなものですが、教科書以外の基礎的な教養さえ身に付いていないことに愕然とさせられます。(親は何やってたんだ?)

つい最近、
「お醤油入れの、片方の穴をふさいだら、お醤油は出るでしょうか」
という小学生向けの問題を出したら、
「もう一つ穴があるから出るんじゃない?」
との答えでした。
「え?残った穴は小さくて、蓋は密着していて、空気の入る隙間もないのに?」
「なんで?出ないの?」
実際に片方の穴をふさいで、お醤油入れを傾けてみて、いつものようにスーッとは出てこないのを見てびっくりしていました。
こんなこと、ずっと前にもやったと思うんだけど・・・

水蒸気や結露や、自分のわかる範囲での理科的な話、好きな文学の話、歴史の話、雑学的で勉強とは直接関係なくても、面白いと思う話をいろいろしてきたつもりでも、ほとんど身に付いてはいないんですね。
効果といえば、長女がカフカの「変身」に興味を持って愛読書にしたくらいでしょうか。

学校の成績は悪くても、三人三様に取り柄はあって、人間的に価値が劣るとは思っていないので、親としてはことさら何かを強要しようとは思いません。
もうすぐ受験の息子がゲームやギターで息抜きしようが、ようやっと進学を許された娘が、口先だけで三学期は勉強するからと言いつつ、毎日遊びやクラブで出歩こうが、放任してます。
これで人生失敗したら、自分でもう一度やり直せば良いことで、失敗しなければわからない人間は失敗するしかありません。
「あの時お母さんがもっと注意してくれれば良かったのに」
とは言わせませんし、そんなことだけは言わないように育っているはずです。
普通の家庭とは比べ物にならないほどの自由がある代わりに、自分に対する責任は自分で背負うことになっているからです。

義務教育が終わるまでに、一人で社会に出ても自分の始末は自分でできるように育てるのが目標でした。
長女は、中学に入ってからは、行事の時にお弁当を作ってくれとも、運動会用のゼッケンを縫ってくれとも言ったことがなく、何でも自分でやっていました。
親が忙しかったので、かなり気を遣ってくれたということもあります。
それに比べると次女は、ギリギリになってから、ゼッケンが作れないとか、家庭科のパジャマが作れないとか、暗に親にやらせようとします。
信じがたいほどの不器用さなので、仕方なくゼッケンを作ったり、ミシンの使い方の指導をしつつ家庭科を手伝ったりしてしまいますが、
「いい年して、そんなこと親にやらせるな」
と長女から怒られています。

こんな調子では、いつまでたっても親を頼っていて、掃除・洗濯・調理だけでなく勉強まで、いざとなったら親を利用しよう、という子どものままでは、という不安がよぎります。
でも合宿などでは、食費を浮かせるために自分たちでメニューを考えて、調理してと、部長らしいことをやってきたようです。
同じ場所で合宿していた別のクラブでは、お母さん方がはるばる来て、夕食の準備をしていたそうです。
「親にそんなことまでしてもらって、いい年して恥ずかしくないのかな」
って、そりゃ自分がいつも言われていることでしょ。