親と子どもの時間・2005年

義務教育もあと少し

学習意欲が今ひとつで、何度も個人面談に呼び出されながら、どうにか高校に進学できそうな次女も、あと三ヶ月で義務教育終了です。
本来ならもうすぐ高校受験で、中学三年間の範囲をしっかり復習した上に、受験勉強に臨んでいるべき時期に、提出物も満足に仕上げられず、中学一、二年の基礎力もないまま高校進学なんてねえ〜。
とはいえ、怒ってもやる気を出すわけもなく、本人がこのままじゃいけないと本気で自覚しなくては、根本的に問題は解決しませんからね。

自分がヒステリックなほどの教育ママに育てられた反動か、子ども達がひどい成績を取ってきても、あまり怒る気にはなれません。
怒っても効果がないことは、自分で経験しているからです。
でも、教育的に正しい態度が取れているわけでもなく、
「何、これ?」
と嫌みを言ってしまうこともあります。
とは言っても、ここまで成績が悪いと、もっと出来の良い子に生んであげられなくて申し訳ないと内心思ってます。

まったくやっていないわけでもないのに、なんでここまで覚えていないのか、不思議なほどです。
授業を聞いて、日常生活でもいろんなことを見て、聞いて、体験して、というだけでも、もう少しいろんなことを身に付けても良さそうなものですが、教科書以外の基礎的な教養さえ身に付いていないことに愕然とさせられます。(親は何やってたんだ?)

つい最近、
「お醤油入れの、片方の穴をふさいだら、お醤油は出るでしょうか」
という小学生向けの問題を出したら、
「もう一つ穴があるから出るんじゃない?」
との答えでした。
「え?残った穴は小さくて、蓋は密着していて、空気の入る隙間もないのに?」
「なんで?出ないの?」
実際に片方の穴をふさいで、お醤油入れを傾けてみて、いつものようにスーッとは出てこないのを見てびっくりしていました。
こんなこと、ずっと前にもやったと思うんだけど・・・

水蒸気や結露や、自分のわかる範囲での理科的な話、好きな文学の話、歴史の話、雑学的で勉強とは直接関係なくても、面白いと思う話をいろいろしてきたつもりでも、ほとんど身に付いてはいないんですね。
効果といえば、長女がカフカの「変身」に興味を持って愛読書にしたくらいでしょうか。

学校の成績は悪くても、三人三様に取り柄はあって、人間的に価値が劣るとは思っていないので、親としてはことさら何かを強要しようとは思いません。
もうすぐ受験の息子がゲームやギターで息抜きしようが、ようやっと進学を許された娘が、口先だけで三学期は勉強するからと言いつつ、毎日遊びやクラブで出歩こうが、放任してます。
これで人生失敗したら、自分でもう一度やり直せば良いことで、失敗しなければわからない人間は失敗するしかありません。
「あの時お母さんがもっと注意してくれれば良かったのに」
とは言わせませんし、そんなことだけは言わないように育っているはずです。
普通の家庭とは比べ物にならないほどの自由がある代わりに、自分に対する責任は自分で背負うことになっているからです。

義務教育が終わるまでに、一人で社会に出ても自分の始末は自分でできるように育てるのが目標でした。
長女は、中学に入ってからは、行事の時にお弁当を作ってくれとも、運動会用のゼッケンを縫ってくれとも言ったことがなく、何でも自分でやっていました。
親が忙しかったので、かなり気を遣ってくれたということもあります。
それに比べると次女は、ギリギリになってから、ゼッケンが作れないとか、家庭科のパジャマが作れないとか、暗に親にやらせようとします。
信じがたいほどの不器用さなので、仕方なくゼッケンを作ったり、ミシンの使い方の指導をしつつ家庭科を手伝ったりしてしまいますが、
「いい年して、そんなこと親にやらせるな」
と長女から怒られています。

こんな調子では、いつまでたっても親を頼っていて、掃除・洗濯・調理だけでなく勉強まで、いざとなったら親を利用しよう、という子どものままでは、という不安がよぎります。
でも合宿などでは、食費を浮かせるために自分たちでメニューを考えて、調理してと、部長らしいことをやってきたようです。
同じ場所で合宿していた別のクラブでは、お母さん方がはるばる来て、夕食の準備をしていたそうです。
「親にそんなことまでしてもらって、いい年して恥ずかしくないのかな」
って、そりゃ自分がいつも言われていることでしょ。

本のプレゼント

オモチャを卒業する頃になると、子ども達はプレゼントに、物ではなく現金を欲しがるようになります。つまんないですね〜。
小さい頃から、オモチャ類を買ってあげるのは、お誕生日とクリスマス(サンタさんがくれるんですけど)だけです。
誕生日プレゼントは、本人の希望を予算内で聞いて買っていましたが、クリスマスは内緒の買い物なので、普段の様子を伺って、何を欲しがってるか予想して、それに近い物をできるだけ安く買う、というスリリングな買い物をしてました。
当たれば、サンタさんに願いが届いたということになり、はずれたら、あら〜よその子と間違ったのかね〜、とすっとぼけます。

最近は、欲しい物があるからとか行きたい所があるからと言われ、現金をあげたりしてましたが、今年から図書カードと本をあげることにしました。

数年前まで、実家が近所で本屋をやっていたので、本や漫画は読み放題でした。
実家が本屋をやめてからも、本なら欲しがれば大抵のものは買ってあげてました。
だから本は、プレゼントとして認められてないところがありました。
でも、何に消えるかわからない現金より、図書カードならコミックにしろ小説にしろ確実に本に使ってもらえます。
それにプラスして、子ども達の好きそうな本を探して、あげることにしました。

長女には、「月の本」を見つけました。
今では目標が不安定になってる漫画家志望の長女ですが、いつかは絵に関する仕事をして欲しいと思って、インスピレーションを刺激するような本を探しました。
月に関する写真やイラストが満載で、月に関する情報も詰まったキレイな本です。
思った通り、気に入ってくれました。

長男には、「夜回り先生」をあげました。
漫画は少年・青年から少女コミックまで幅広く読みますが、子ども達の中では一番読書量が少なく、好きな本の趣味もつかみにくいので、一番迷いました。
子ども好きで、小学校か保育園の先生が志望なので、これなら興味を持って読んでくれるかな、と選んだのですが・・・
何度かテレビで特集されているのを見て知っていたようで、読んでみたかったそうです。
予想が当たった!

次女は、すでにお友達とディズニーランドに行くお小遣いとして現金を渡してあったので、本来なら何もなしです。
けれど、前からねだられていた「ナルニア国ものがたり」のボックスを見て、買ってしまいました。(文庫だけど7冊セットで一番高い!あま〜い!)
でも、本ならいいかな、と思ってしまって・・・

わざわざ買わなくても、狭い我が家には、すぐにでも古本屋ができるほど本があふれているのに、本屋に行くとつい財布のヒモがゆるんでしまいます。
次女なんて、図書室の貸し出し冊数の順位を競うために、家にある本まで学校で借りて来るくらいだから、買う必然性は低いんですけどね。
でも、本当に気に入った本は、読み返したいときすぐに読めるように、手元に置いておきたいものです。
子ども達にも、何度でも読みたくなる本を、たくさん見つけて欲しいと思っています。

プレゼント探しと称して本屋を徘徊してきましたが、本屋のあらゆる分野の本を隅々まで見て回ること自体が楽しくて、落ち着きます。
実際は、子ども達より本を読む速度が一番遅くて、読書量も決して多くはないんですけどね。
生まれた時から本の中で育って、中味は読まなくても、本の背表紙から表面的な知識だけを吸収してきたので、本当は知らないのに名前だけ知ってる、という薄っぺらな知識だらけです。
それでも、嫌なことがあったりすると、本屋に行ってグルグルといろんな本を見て歩き回って、本を買い漁って、読み漁って、本に囲まれているのが、一番のストレス解消法になってます。
だから、誰かが喜ぶことを予想して、いろんな本を見て周り、何冊もの本を選んで買う、ということが、自分へのプレゼント。

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Do They Know It's Christmas?

教室は12月に入ると、サンタさんは本当にいるのか、という話題で持ちきりになります。

「サンタさんていると思う?」
「お父さんやお母さんが絶対くれるはずないプレセントくれたから、いると思う」
「うちは、サンタさんはお父さんだと思う」
「うちにはサンタさん来ないから、お父さんがプレゼントくれる」
「えー、サンタさん来ないの?」

五〜六年生になると、かなり疑いを持っている子が多くなりますが、小学生の間は信じている子が多く、どこの親も頑張ってるなあ、と思います。
キリストも宗教も関係なく、日本では、クリスマスやサンタは別種の信仰のようになっているようです。
子どものサンタ信仰を守ってあげたい、できるだけ長く夢を見させてあげたい、と多くの親が思うんでしょうね。

うちでも数年前までは、クリスマス直前になると、量販店で三人分のオモチャを探し回り、バレないようにお店のとは違う包装紙でラッピングし、押入の奥に隠したりと、一生懸命やっていました。
上の二人は、高学年くらいまで本気で信じてたようですが、次女は低学年くらいで疑い始め、
「今年は、サンタさん○○くれないかなあ〜」
と、あきらかに親がサンタだとわかって言ってるでしょう、というかわいげのなさ。
「無理無理。そんなのサンタのソリに載らないよ!」
と即座に却下!(そんなあからさまにねだられたら、絶対買ってあげない)

こんな、普段は子育てに手を抜き、サンタクロース的ファンタジーからはほど遠い親でさえ、結構真面目にサンタを演じたりしてるので、本気でサンタを信じたりする子が多いんでしょうね。
うちの親がそんなことしてくれるわけない、と言う子ほど、真剣に信じていますから。
第三者的に見れば、そんなくだらないことに一生懸命になるくらいなら、普段の子育てにもっと力を入れればいいじゃないか、と言われるでしょうが、毎日サンタはできませんよね。
年一回だから、この時ばかりはと頑張れるのです。
子ども時代に、年一回でも真剣に子どもが信じるもののために何かをしてあげた、ということは、親子関係に何かしらの絆を残せるのでは、とかすかに期待もしています。
普段は、うちの親なんかまったく当てにならない、と思っているでしょうが、でも、自分のために一生懸命な時もあったから、まっいいか、というふうに思うんでは・・・

日本でも、サンタさんが来る家と来ない家があり、プレゼントも、子どもの希望通りだったり、縮小されていたりといろいろです。
中には、クリスマスどころではない複雑な状況の子ども達もたくさんいますが、多くの子ども達が、ケーキやいつも以上のご馳走を食べたり、たくさんのプレゼントをもらったり、楽しいクリスマスを過ごすことができます。
でも世界的に見ると、そんな国はごく一部です。

1985年7月13日に行われた「ライブエイド」(有名ミュージシャンが大勢集まったチャリティコンサート)から20年たって、「ライブ8」というコンサートが今年行われました。
「ライブエイド」では、1億5000万ドルの寄付が集まり、数十万人の命を救ったそうです。けれど、その寄付金を確実に活かすために活動していた主催者は、貧困の根本的解決にはならないことに気付きました。
「ライブ8」は、主要8カ国首脳会議で、8人の首脳達に、アフリカへの援助金を一年間に250億ドル増額することを約束させました。2015年までに、経済規模は二倍になり、貧困は半減し、5歳未満の子の死亡率が下がり、全ての子どもが初等教育を修了できることが目標だそうです。
この活動は、有名ミュージシャンが集まったバンドエイドという集団がレコーディングした「Do They Know It's Christmas?(彼らは、今がクリスマスだって知っているだろうか)」という曲に始まります。
クリスマスシーズンになると、毎年いろいろな所で流れています。

今月、「ライブエイド」と「ライブ8」のDVDを購入しました。
ロック、ジャズ、フォークの様々なジャンルのミュージシャンが集まる貴重な映像が満載で、純粋に大好きなミュージシャン目当ての購入です。(This DVD Saves Livesとは書いてありますが)
ボランティア精神など皆無で、慈善活動や募金活動にも無縁です。
だけど、音楽を楽しむことと同時に、世界的状況を知らせて、自分たちがいかに贅沢であるか、ということを子ども達に教えることは、サンタ活動を終えた親の義務かな、とも思ってます。

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遅れてる?

次女の学校は、都内で一番性教育の歴史が古いそうで、かなり熱心に行われています。
正しい知識は、正しい行動を生むという理念に基づいているようです。実際、近所の公立中学の様子を聞くと、中三で体験してないと遅れてると言われるそうで、自分の学校とは全然違うと言ってます。
「小学生並で何が悪いんだ!」
と別の私立中学に通っている友人と二人で意気投合してました。

最近学校で、性体験のアンケートがあったそうです。
その回答の選択肢が細かくて、現実はこんなとこまできてるのか、と愕然とする内容です。

性的体験をしたことがあるか?
1ある
2ない
3言ってる意味がわからない
4意味はわかるが、わからない

体験した人が最初に体験した年齢は?
1小四以下
2小五
3小六
4中一
5中二
6中三
7わからない

体験した目的は
1愛情
2お金
3性的欲求を満たすため
4その他

など「意味がわからない」質問がたくさんあったそうです。(カマトトぶって!)

ちなみに、初体験の平均年齢は15歳だそうです。
平均というのは真ん中であって、中には相当成長するまで未経験の人もいるわけで、ということは・・・
次女の友達の話では、友人の友人(同級生)で来年赤ちゃんを産む人がいるそうです。
「お母さんに話したら、泣いてたって」
そりゃあ、自分の子に限って、ってどの親も思ってますからね。
「でも、東京都じゃ中学生はやっちゃいけないんだよね」
と優等生的ご意見。
確かに、青少年条例で18歳未満は行為を禁止されてますね。

それにしても、漫画や映画やドラマでのイメージしかない未体験の娘達が、やっただやらないだって・・・
まあ、親の前でも、これだけあっけらかんと話してるうちは、まだ安心かなという気もしますが、子どもを育てる生活力がつくまでは、安易な行動に走らないでほしいものです。
学校の授業でも習っているので、感染症や避妊の知識もあるはずで、親世代よりも詳しいくらいなんだから、きちんと活かしておくれ。

「おばさん達は、最近の若い子は、なんて言うけど、そういうふうに育てたのは自分たちだって自覚してほしいよ!」
ですって。

きれい!!

週二回自宅でやるそろばん教室の日はいつも、三十分前位に帰宅して、泥棒が入ってもわからないくらいものすご〜く散らかった部屋を大急ぎで片づけ、掃除します。
脱ぎっぱなしの服や靴下、ゴミ箱から完全にはずれたゴミ、食べっぱなしの食卓などの悲惨な状況を一挙に片づけるわけです。

先日、いつもより帰りが遅れ、あせって玄関を開けると、食卓はきれいに拭いてあり、床は掃除機がかけられ、もう一つの教室用の机も準備され、流しまで食器も鍋も何もない状態に片づいていて、びっくりしました。
こりゃあ、次女が何かやったな、と思いきや、案の定、姉や兄に何度も起こされながら起きられず、学校に行っていませんでした。
月に一度位ずつ学校に行けない日がある次女なので、またか、と思いましたが、期末試験直前の失態に、自分でもかなりまずいと思って、家族の一斉攻撃を回避する手段に出たようです。
でも、いつもは自分の部屋さえ一日かけても満足に掃除できないくせに、やればできるんじゃない、と内心見直しました。たまに掃除しておいてくれる上の二人は、食卓に何か残っていたり、どこか中途半端なのですが、ずっと完璧に片づいていました。

少しして、今度はお友達とディズニーランドに行く費用をねだるために、また次女が掃除してくれていました。でも、台所は片づけていません。
一度完璧にできることがわかってしまうと、やってあることより、できていないことの方に目がいってしまいます。
「なんだ。食器は洗ってないんじゃない!」
と文句をつけてしまいました。
すると、いつもは親以上に妹に対する小言が多い口うるさい長男に
「せっかく掃除してたんだから、そんなこと言うなよ!」
と怒られてしまいました。

まあ、その日もギリギリに帰ってたので、掃除してくれてただけでもかなり助かったんですけどね。
それにしてもうちの長男、19歳にしてオヤジ臭過ぎ!
別れて約四年の、子育てに無関心だった実の父親以上に父親らしいぞ。
次女の躾がなってないと
「ちゃんと躾し直せよ!」
と年中怒るけど、その役目任せるよ!